こんにちは!薬剤師の資格と、化粧品検定1級の資格を持つ薬局MANYの山下です!
寒い冬も抜け、徐々に暖かい季節がやってまいりました。
暖かい季節になると、服装も変わり、外にお出かけする機会が増えますね。
今回は気になる紫外線対策について噂を検証します!
「紫外線対策はいつからするべき?」
「夏からではおそいって本当?」
について検証しました!
紫外線対策は3月スタートがベスト!
「3月から紫外線対策ってまだ早いんじゃない?」
と思う方も多いかもしれませんが、実は、紫外線対策は3月から始めるのがベストなんです!
3月から始めるべき理由は以下の3点が主な理由です。
- 紫外線量が最も少ない冬はメラニンが少なく、お肌がまだ準備中で、春先もまだ準備中だから。
- お肌が準備中にも関わらず、紫外線量は夏に向けて上昇するから。
- 夏に比べて油断するから。
実際に2021年3月17日の紫外線量を見てみましょう。
2021年3月17日の天気は晴れ・気温は最高気温18度、最低気温8度でした。
まだ春というより肌寒い感じの1日でした。
しかし上記画像を見ての通り日本列島の約半分はレベル5以上、ところどころ紫外線が『強い領域のレベル6・7』を示していることがお分かりになると思います。
この画像を見るとまだ3月の肌寒い日にも関わらず紫外線量が侮れないですよね。
また年間の紫外線量はどのようになっているかまとめました。
このように紫外線は1年365日降り注ぎ、
1年の中でも特に3~10月までは対策が必要であることがわかります。
上記から、紫外線対策は
「夏からでは遅い!!」
「3月から10月は特に対策が必要である」
という結論です。
具体的な紫外線対策の方法
紫外線対策は3月から必要であることはわかりましたが、具体的にどのような紫外線対策が必要なのでしょうか?
行うべき紫外線対策は、2つです。
- 外部から紫外線対策を行う。
- 内部から紫外線対策を行う。
外部からの紫外線対策
言わずもがな、紫外線は体の外部からの刺激です。
・木綿、ポリエステル素材の長袖衣服を身に着ける
・色の濃い衣服を身に着ける
・日傘、帽子をする
・サングラスをかける
・外出するときは日焼け止めを塗る
上記に関して気を付けるといいですね。
日本では夏場に長袖シャツを着ることはおかしいと感じるかもしれませんが、例えば、オゾン層破壊の影響が深刻なオーストラリアでは、夏場でも長袖シャツが当たり前なんです。
また、子供たちの登下校時にはサングラス着用を義務づけている学校も少なくありません。
一説によると、18歳までに生涯に浴びる紫外線の約半分の量を浴びているといわれています。
紫外線による肌へのダメージを抑えるには、特に若い頃から紫外線防御が重要です。
ただ注意するべき点が1点あります。
それは紫外線を少し浴びることは、生きていくうえで重要であるということです。
からだの中で合成されるビタミンDのために紫外線は必要不可欠なんです。ビタミン Dが合成される場所は皮膚であり、そして合成には紫外線の助けが必要となります。
カルシウム摂取不足やビタミン D不足になると、骨から溶け出すカルシウムの増加などにより、カルシウム蓄積が減少して骨が弱くなり、骨折の危険性も増すことがわかっています。骨粗鬆症の原因のひとつとも考えられています。
最近では、ビタミンDは筋肉にも作用することによって高齢者の転倒予防にも役立つことが報告されています。
また、妊婦さんにおけるビタン D不足は赤ちゃんの骨の発育に影響を与え、ビタミン D不足の妊婦さんから生まれた赤ちゃんの将来の骨量が低くなることが報告されています。
小児期においても、母乳栄養の赤ちゃんやアレルギーなどで食事制限をしている子どもはビタミン D不足になりやすいと言われています。
では、ビタミン Dは一日どのくらい摂取しなければならないのでしょうか?「日本人の食事摂取基準(2005 年度版)」によると、年齢にもよりますが、1日 4 〜 5 μgが目安量となっています。
また妊娠中や授乳中の女性はこの 1.5 倍が勧められています。
ただし、カルシウム代謝の面から調査した場合、少なくとも中高年女性の半数近くがビタミンD不足であることが報告されています。これらの点を踏まえて、骨粗鬆症の予防と治療に必要なビタミンDは一日あたり 10 〜 20 μg(400 〜 800 国際単位)とされています(表 2-2)。ビタミン Dの摂取は、まず食事からが基本です。
多く含むものは魚類ときのこ類です(表 2-3)。これらのうちどれかが毎日の食事に含まれていれば、ビタミンD不足にはなりにくいと考えられます。
しかしながら、実際はカルシウム代謝の点では食事から摂取するビタミン Dだけでは不足気味です。やはり、日光による合成もうまく利用することが必要です。
皮膚で作られたビタミンDはビタミンDの運び役(ビタミンD結合蛋白質)によってすぐに運ばれるため、消化管から吸収されるビタミンDよりもからだの中で使われやすいと考えられています。
とはいっても日焼けをするほどの「日光浴」が必要なのではなく、日本が位置する緯度を考えると、両手の甲くらいの面積が 15 分間日光にあたる程度、または日陰で 30 分間くらい過ごす程度で、食品から平均的に摂取されるビタミンDとあわせて十分なビタミンDが供給されるものと思われます。
介護の必要な高齢者や妊婦さん、授乳中の女性などでは屋外に出る時間をもうけることや、屋内においてもガラスを通さない日光にあたる時間をもうけることが望まれます。
内部からの紫外線対策
紫外線対策を内部から行うためには、食事やサプリメントも有効です。
- ビタミンAをとる
- ビタミンCをとる
- ビタミンEをとる
- 亜鉛をとる
- ビタミンB2をとる
上記について、栄養素として食品やサプリメントから摂取することが紫外線対策となります。
またこれらの栄養素がどのような食品に多く含まれているかまとめました。
栄養素 | 多く含まれる食品 |
ビタミンA | にんじん、モロヘイヤ、ブロッコリー、トマトなど |
ビタミンC | 抹茶、いちご、赤ピーマン、青じそ、かんきつ類、キウイフルーツなど |
ビタミンE | アーモンド、ピーナツ、ごま、アボガド、紅花油、オリーブオイル、のりなど |
亜鉛 | 牡蠣、牛肉、豚肉、うなぎ、納豆、アーモンドなど |
ビタミンB2 | レバー、海苔、アーモンド、うなぎ、納豆など |
上記のような食品に気を付けて栄養を摂取しましょう。
食事からの摂取が難しい場合、サプリメントから補うのも一つの手ですね。
下記ではシミのケア方法についてまとめました。
サプリメントでも上記以外で、気を付けてほしいのが、「飲む日焼け止め」とうたっている商品についてです。
日本でも人気の「飲む日焼け止め」ですが、米FDAから注意喚起がなされています。
American Academy of Dermatology statement on oral supplements for sun protection
American Academy “American Academy of Dermatology statement on oral supplements for sun protection” https://www.aad.org/media/news-releases/american-academy-of-dermatology-statement-on-oral-supplements-for-sun-protection
Recently, there has been discussion in the media about oral supplements that claim to provide protection from the sun. The American Academy of Dermatology (Academy) wants to alert consumers that these pills should not be used as a replacement for sunscreen or sun-protective clothing. There is currently no scientific evidence that oral supplements alone can provide an adequate level of protection from the sun’s damaging ultraviolet rays.
Sunscreen is the only form of sun protection that is regulated by the U.S. Food & Drug Administration (FDA). Broad-spectrum sunscreen with a Sun Protection Factor (SPF) of at least 15 has been scientifically proven to prevent sunburn and reduce the risk of skin cancer and early skin aging caused by the sun. Regardless of whether you choose to take oral supplements, the Academy recommends you seek shade, wear sun-protective clothing and apply a broad-spectrum, water-resistant sunscreen with an SPF of 30 or higher.
上記を簡単に訳すと、
近年、日焼けから守ると謳うサプリメント(飲む日焼け止め)について、メディアで論議されています。
アメリカ皮膚科学会は、「これらの飲む日焼け止めを、塗る日焼け止めや、日焼けから守る衣服の代わりとして使用しないよう」消費者に警告します。現在、飲む日焼け止め単独で、太陽の有害な紫外線から、肌を適切に守るという科学的根拠は存在しません。
FDAによって規定されている唯一の日焼け対策用品の形態は「塗る日焼け止めのみ」です。
SPFが少なくとも15以上で、広域スペクトラム(広い範囲の紫外線をカットする)の日焼け止めは、日焼けを防ぎ、皮膚癌のリスクや日光による皮膚老化を抑えることが科学的に証明されています。
アメリカ皮膚科学会は、飲む日焼け止めを服用するか否かにかかわらず、日陰を探し、日光を防ぐ衣服を着て、SPF30かそれ以上の広域スペクトラム、かつ、ウォータープルーフ(耐水タイプ)の日焼け止めを使うことを推奨します。
「日焼け止め」に関しては、塗るタイプのみが紫外線対策に効果的であるということですね。
結論、紫外線は一年中降り注ぐ。3月からの対策がベスト
「忙しくて、病院に行けない」
「つらいけど、手元に処方箋がなくて困っている」
薬局MANYは、病院への受診勧奨を軸に、患者様の健康を最優先に考え貢献いたします。
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